らくらく会計共通
「らくらく会計」の仕訳仕様の改善について
更新日2006年7月10日バージョンより適用
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7/10に改正した仕訳仕様の改善について
- 2006/11/01(学校法人会計のみ)
学校法人会計では”仮払金”が発生した場合、資金収支計算書にも入金・出金が計上されます。この仮払金を後で経費などに振り替えた場合、既に資金収支には仮払金支出が計上されていますので、本来は資金は動きませんが、経費科目に注目すると、消費収支と資金収支が不一致になりますので、下記の仕訳で資金収支にも反映させる仕訳を行うことが多いと思われます。
現金 100 / 仮払金 100 (仮払金の回収)
経費 100 / 現金 100
今回の改善では下記の仕訳のみで、資金収支計算書に経費支出と仮払金の回収収入が計上できるようにしました。
経費 100 / 仮払金 100
- 2006/10/18
経費科目/固定負債科目又は固定負債科目 の仕訳は、資金収支計算書に反映できないように変更しました。(2006/7/10以前の仕様に戻す)
(修正理由)
社会福祉法人会計では、退職共済預け金の調整仕訳として、
雑費 / 退職共済預け金 の仕訳を行いますが、雑費が資金収支への連動科目であるために資金収支に反映するという問題がありましたので、7/10以前の仕様に戻しました。
なお、雑費ではなく資金科目に連動しない”雑損失”の科目を使われいる場合は、問題ありませんが、通常、資金収支に連携する経費科目/固定資産または固定負債の仕訳はありませんので、この部分は従来通りの仕様に戻しました。
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仕訳仕様の改善の必要性
- 「らくらく会計」は、すべての仕訳のうち資金の動きのある仕訳を抽出して、資金収支計算書を自動作成しています。
- そのため、商業簿記などで普通に行なわれている次のような仕訳は、資金の動きがありませんので、資金収支計算書には反映出来ませんでした。
例 消耗品費 100 / 雑費 100
この仕訳は、雑費を100円減額して消耗品費を100円増加させる修正仕訳でありますので、次のような仕訳で修正します。
@ 取消仕訳 雑費 −100 / 諸口 −100
A 訂正仕訳 消耗品費 100 / 諸口 100
- しかし、修正仕訳などでこのようなトラブルが少なからずありましたので、この度、仕訳の解析ロジックを大幅に見直しお金の動きが直接無い仕訳においても、当然資金移動を伴う仕訳は、資金収支計算書に反映できるようにしました。
- これにより、固定資産・固定負債など資金収支計算書で総額集計になる取引や学校法人会計での資金調整勘定に係わる仕訳を除いて、ほぼすべての仕訳は、通常の複式簿記の仕訳が通用するようになります。
- 詳細な仕訳例は下記をご参考ください。
今回可能になった具体的な仕訳例
次の仕訳例は、何れも資金の動きの無い取引ですが、資金収支計算書に金額が反映できるようになりました。なお、科目名等は各会計基準により異なりますので、必要に応じて読み替えてください。
- 消耗品費を会議費に修正する場合
(可能になった仕訳)
会議費 / 消耗品費 100
(従来の仕訳)
消耗品費 / 諸口 −100 取消仕訳
会議費 / 諸口 100 訂正仕訳
以下の仕訳例では、従来の仕訳例は省略します。
- 決算整理等で、管理費から事業費に振替える場合
事業・光熱水費 / 管理・光熱水費
- 正会員受取会費を特別会員受取会費に振替える場合
特別会員受取会費 / 正会員受取会費
- 一般寄付金を特別寄付金に修正する場合
一般寄付金 / 特別寄付金
- 決算整理等で、雑収入と雑費を相殺させたい場合
雑収入 / 雑費
- 受取利息を固定資産である特定預金に組入れる場合
○○積立預金 / 受取利息収入
注)積立金積立額等の仕訳は必要に応じて行なってください。
- 寄付金を受けて固定資産を取得した場合
器具及び備品 / 寄付金収入
従来の仕訳のルールとの関係
- 従来の仕訳のルールは一切変更しませんので、従来の方法で仕訳を行なっていただいても構いません。今回の改良で、”らくらく会計”は、一段と普通の複式簿記仕訳に近づくことが出来るものと考えます。
- ただし、固定資産や固定負債などの増減に伴う資金収支では、総額集計(借方と貸方での集計)ですので、今までどおり修正仕訳は逆仕訳ではなく、マイナス金額での修正仕訳をしてください。【注意が必要な仕訳】
- また、複合仕訳は相手勘定が自動的に資金諸口になりますので、減価償却等の仕訳は従来どおり複合仕訳はしないでください。
注意が必要な仕訳
- 固定資産・固定負債の修正はマイナス金額おこなう。
150万円で購入した車両が後に10万円値引きがあった
車両 -150 / 現金 -150
逆仕訳を行なうと、資金収支計算書には売却収入として計上されます。
- 資金移動が必要な固定資産同士の振替仕訳は@取消仕訳とA訂正仕訳で行なう
器具及び備品で計上した固定資産が実は構築物であった
@ 器具及び備品 -100 / 諸口 -100
A 構築物 100 / 諸口 100
- 資金移動が不要な過年度に購入した固定資産の振替が必要になった場合
構築物 100 / 器具及び備品 100
固定資産・固定負債同士の振替は資金収支に反映しませんので、上記の仕訳になります。
建設仮勘定を建物に振り替える時も同様です。
建物 100 / 建設仮勘定 100
- 消耗品費で計上仕訳を固定資産に変えたい場合
@ 消耗品費 -100 / 諸口 -100
A 器具及び備品 100 / 諸口 100
補足
経費から資産へまたは資産から経費に振り替える場合は、取消仕訳の後正しい仕訳を入れてください。
- 減価償却等の非資金取引は単一仕訳で行なってください。
減価償却費 50 / 器具及び備品 50
減価償却費 100 / 建物 100
1対Nの複合仕訳にすると、相手勘定は資金諸口になりますので、上記のような単一仕訳で行なってください。積立金等の繰入の場合も同様です。
上記のような注意が必要な仕訳以外は、ほぼ商業簿記で行なっているような仕訳ができます。ただし、学校法人会計ではこのほかに資金調整勘定がに係わる注意仕訳が別途あります。
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