学校法人会計での会計期中の未収入金・未払金について
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はじめに |
- 現行の学校法人会計基準の基本は、昭和46年に制定されています。その当時は収支会計が中心でありましたので、必然的に現金主義の仕訳が中心であり、”未収入金”、”未払金”は、年度繰越を想定した科目になっています。
- そのため、未収入金に対応した資金収支科目は前期末未収入金収入であり、未払金に対応した資金収支科目は前期末未払金支出となっています。
- 従って、これらの科目をそのまま会計期中で使用すると、正しい会計処理が出来ません。
- 今日では、企業会計はもちろんのこと、学校法人を除く他の非営利法人会計でも、発生主義で仕訳を行なうことが一般的になっています。幸いにも公益法人や社会福祉法人では、資金の定義範囲が広いために特に問題なく、発生主義仕訳を行なうことができます。
- ところが、学校法人会計では未収入金や未払金は資金調整勘定に絡んできますので、単純には発生主義で仕訳を行なうことが出来ません。
- しかし、学校法人会計でも下記に説明する方法で仕訳を行なうと、発生主義による会計処理が可能になります。
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会計期中の未収入金の仕訳について |
- らくらく会計では、本来の未収入金とは別に、次のような科目を用意しています。
未収入金(会計期中)
この科目は、現金預金と同等な性格を持たせていますので、次のような仕訳を行なうことで、発生主義による会計期中の仕訳が出来ます。
(仕訳例)
- 会計期中の未収入金が発生した場合
未収入金(会計期中) 100 / 補助金収入 100
- この未収入金のうち、80が回収出来た場合
現金預金 80 / 未収入金(会計期中) 80
- 会計期末の未収入金20が次年度に繰り越される場合
未収入金 20 / 未収入金(会計期中) 20
以上の仕訳のうち、1と2は、会計期中で清算されますので、資金収支には出ません。
3の仕訳のみ、資金収支計算書の資金調整勘定に△20が反映されます。
- なお、前年度の未収入金の回収は次の仕訳になります。
現金預金 200 / 未収入金 200
この仕訳は、前期末未収入金収入に200が反映されます。
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会計期中の未払金の仕訳について |
未収入金と同様に考えてください。
- 本来の未払金とは別に、次のような科目を用意しています。
未払金(会計期中)
この科目は、現金預金と同等な性格を持たせていますので、次のような仕訳を行なうことで、発生主義による会計期中の仕訳が出来ます。
(仕訳例)
- 会計期中の未払金が発生した場合
消耗品費 100 / 未払金(会計期中) 100
- この未払金のうち、80は当年度で清算が終わった
未払金(会計期中) 80 / 現金預金 80
- 会計期中の未払金20が次年度に繰り越される場合
未払金(会計期中) 20 / 未払金 20
以上の仕訳のうち、1と2は、会計期中で清算されますので、資金収支には出ません。
3の仕訳のみ、資金収支計算書の資金調整勘定に△20が反映されます。
- なお、前年度の未払金の支払は次の仕訳になります。
未払金 200 / 現金預金 200
この仕訳は、前期末未払金支出に200が反映されます。
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