らくらく複式簿記

個人事業の仕訳 Q&A


預金から引き落とされる年金、生命保険料等は何の科目を使ったらいいのでしょうか。

年金や生命保険料等は、確定申告の際に控除されますので経費としては計上できません。
しかし、家計と事業で同一の預金通帳を使われている場合は、家計分の収入や支出も計上したほうがよいと思いますので、その場合は次の仕訳をして下さい。
引落があった場合
事業主貸  /  預金  ○○円
事業以外の家計収入(例えば宝くじが当たった!)
預金     / 事業主借

しかし、一般的には、事業用の預金と家計用の預金は分離していたほうがよいと思います。


 
 
新年度更新処理を行なうと、事業主貸・事業主借に繰越金の金額が残りますが、これはどのように処理すればよいか。

【操作】
  1. 事業主借・事業主貸の繰越金を0円にします。また、前期繰越金と元入金も0円にします。

  2. 借方合計と貸方合計の差額(繰越金設定の画面の下部に表示される)を”元入金”に入れて、借方合計と貸方合計が一致することを確認してください。
 以上のような繰越金の修正をおこなってください。

【理由】
 通常、借入金や貸付金は返済や回収をしないといけませんが、個人事業会計の事業主貸・事業主借は返済や回収の必要の無い”事業”と”個人”との貸借勘定です。そのため会計期首では両者を相殺してその差額をも元入金に入れます。また、前期繰越金も、会計期首では0円にしてその金額を元入金に入れます。これらを同時に行う方法として上記のような操作が出来ます。


自家消費の仕訳はどのようにすればよいか。

 例えば、商品の一部を夕食として消費したとします。

【仕訳】

  事業主貸    /  売  上     1,000円    自家消費

【補足】
 一般には売上の科目で仕訳をして摘要名に自家消費とすればよいすが、売上(自家消費)と云う科目を追加して仕訳を行うこともで出来ます。
 借方科目は家計費から現金で事業に支払いをしない限り”事業主貸”の科目を使います。


ガソリン代や電気代を家計費と按分したい場合はどのようにするか。

 例えば、電気代は家計費から支払をして、そのうち事業で使う40%分を経費として計上したい。

【仕訳1】

  水道光熱費   /  事業主借   4,000円    事業割合40%


 もし、電気代を事業から支払っている場合は次の仕訳になります。

【仕訳2】

  水道光熱費   /  現   金   10,000円    電気代
  事業主貸    /  水道光熱費   6,000円    家事割合60%


自家使用割合40%で使用する車輌を購入した場合の購入時・ガソリン代支出時・減価償却時の各仕訳はどのようにするか。

 例えば、200万円の車を購入したとします。

【購入時の仕訳】

  車輌運搬具   /  現   金   200万円

【補足】
 事業に計上する資産割合を60%の120万円にすると云う考え方もありますが、通常は事業会計に100%資産計上します。その際、事業からは120万円の現金を出して残りの80万円は家計費から出した場合の仕訳は次の2つの仕訳になりますが、固定資産として計上される金額は200万円となります。

  車輌運搬具   /  現   金   120万円
  車輌運搬具   /  事業主借    80万円


【ガソリン代を払った時の仕訳】

  消耗品費    /   現   金   30,000円
  事業主貸    /   消耗品費   12,000円   ガソリン代自家使用分


【減価償却の仕訳】

 減価償却の計上
  減価償却費   /  車輌運搬具   10万円
  事業主貸    /  減価償却費     4万円